仙台駅から東へ4kmの位置にある卸町は、昭和40年にできた東北・北海道で最大規模の流通業務地区である。さまざまな物資の流通のためにつくられたこの街は、骨太のインフラが通り、いろいろな倉庫が並んだ独特のランドスケープを持っている(われわれクリエイターにとってはすごく魅力的な!)のだが、卸業の業態の変化につれて流通の結節点としての役割が薄れ、今、新たな方向性を模索している。
2002年、阿部仁史アトリエは卸町の倉庫に移転した。われわれの活動がこの場所をプラットフォームにして展開していくことによって、新たなアクテイビィティを生み出し、街に新しい可能性と活気を生み出せると考えている。この街で、働き、友人たちと集おう。デザインの行為がいつか街のアクティビティになり、デザインのコミュニティが街のコミュニティとなって、われわれは都市と一体になるだろう。
この宮城県美術館でのインスタレーションは、アトリエの移転の際、倉庫にもともと大量に残されていたパレットを、展示室の中に並べ替えただけのものである。このインスタレーションは、眼差しの再構築をデザインすることで、既存のものに新たな価値を見い出す卸町の街づくりのコンセプトを表象している。
プロジェクトデータ
名称: Pallets
所在地: 宮城県仙台市
主要用途: インスタレーション
竣工: 2003
写真撮影
© Hide Sato
An Installation at the Miyagi Museum of Art
Project Data
Project Title: Pallets
Location: Sendai, Miyagi Prefecture, Japan
Use: Installation
Status: Completed 2003
Photography© Hide Sato